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平成14年

カワセミ繁殖の場守る ・・・ 12月3日 日本経済新聞

鳥類営巣ブロック 旭ダンケ

 「がけ崩れの恐れがある河川の護岸工事は欠かせないが、『青い宝石』と呼ばれる美しい野鳥、カワセミの繁殖の場を取り上げてしまっていいのか」。
 旭ダンケの鳥類営巣ブロックはそんな思いから10年前、北海道開発局旭川開発建設部と北方鳥類研究所との産学官共同プロジェクトとして開発が始まった。
 一見するとコンクリートの塊に単純に穴を開けただけ。しかし実際は、石川信夫北方鳥類研究所代表の助言を得て、穴の角度や高さ、内部の土質までカワセミの自然環境に近い条件がち密に計算されている。
 例えば土質。カワセミは地上1.5メートルより高いがけ地で、粘土質と砂が重なり合う所に巣穴を掘る。土に小石や草の根などが混じると途中で巣作りをやめてしまい、逆に軟らかいと掘り進み過ぎ営巣につながらない。
 そのため、カワセミが好む土質を再現しようと試行錯誤の結果、4ミリ程度のふるいにかけたシルト(砂泥)質の土を使用。土の含水率や締め固め方も独自に割り出した。
 ヘビなどの外敵の侵入を防ぐため、ブロックの継ぎ目の処理法や盛り土の厚さ、止まり木の位置なども検証を重ねた。まず旭川市内の3ヵ所に設置し、3ヵ所ともカワセミが営巣する成果があがった。
 設置が全国で本格化してきたのは1998年、他のコンクリート関連企業と普及へ向けた会を組織し、建設会社などへ施工ノウハウの紹介を始めて以降だ。「特にここ2、3年受注が増えてきた」と旭川支店副支店長は言う。
 現在カワセミのほかヤマセミ、ショウドウツバメ用も含め全国約100ヵ所に設置されている。
 旭川開建が特許を取得、旭ダンケが製造・販売権を持つ。より外敵が侵入しにくい構造にするなど改良作業はその後も続けており、ここ数年で@営巣ブロックを載せる土台を木からコンクリートにA営巣ブロックの左右に側壁を設置B盛り土を土のうに−−といった仕様変更をした。
 用途が特殊で単価も高くないため売り上げは合計5千万円程度で、利益に大きく貢献するわけでない。だが、「護岸工事は自然破壊のイメージが強い。企業側も心を痛め、対策に知恵を絞っていることを知ってほしい」と山下裕久副社長。営巣ブロックを自然と人間の共生のシンボルとなる商品と位置づけ、普及活動にも一層力を入れていく 。



台付きコンクリート管 生産能力を3倍に ・・・ 10月9日 日本経済新聞

旭ダンケ、年4万トンに拡大

 コンクリート製品製造の旭ダンケは、下水道工事などに使う台付き鉄筋コンクリート管の生産能力を約3倍の年間4万トンに引き上げた。旭川市内の工場の生産設備を10億円かけて増強した。同製品への需要が下水道工事費用の削減や工期短縮につながるとして急増していることに対応した。
 工場には一工程でコンクリート管を2本製造できる高性能機械を導入。1時間あたりの生産量は30本と旧設備の4.5倍に増えた。年間生産能力も従来は1万5千トン前後だった。
 台付き鉄筋コンクリート管は敷設時に下部に支えがなくても転がらず、周囲に生コンクリートを敷き詰める必要がないため、掘削断面を小さくできる。このため、単価は通常の円柱管に比べ「2-3割高い」(同社)ものの、埋設工事全体の費用は約2割割安になるという。生コンの乾燥が不要で工期も大幅に短縮できる。
 公共事業費の抑制を進める自治体などから発注がここにきて急増。同製品の売上高は以前の年5億-6億円から10億円超に拡大している。



軽量PCa床板を開発 ・・・ 3月18日 セメント新聞

首都圏で営業展開 

建築分野を拡大3年後20億円目指す コンクリート製品メーカー大手の旭ダンケはこのほど、建築用軽量フルプレキャスト床板「UNISLAB(ユニスラブ)」を開発、本格的な事業展開に乗り出す。売り上げ目標は初年度5億円、04年度には全売上高の約2割にあたる20億円を目指す。同社は、2月1日付けで環境建材事業部東京営業所の体制を整え、当初は首都圏を主な市場として営業活動を行い、軌道に乗り次第、順次人員と営業範囲を拡大していく計画だ。
 「ユニスラブ」は、亜鉛メッキ鋼板をデッキプレート状に成形した曲げ鋼板と鉄筋格子を組み合わせたユニフレームの中に中空材を配置し、その上下面にコンクリートを打設して製作するプレキャスト板。
 主な特長は、@従来のコンクリートスラブと比較して、床の自重が約60%と軽重で躯体コストと施工コストの軽減に貢献するA小梁なしでロングスパンが可能B特殊構造のフレーム効果によりクリープ(たわみ量)が小さいCフルプレキャストであるため現場での大掛かりな作業が不要で、施工の省力化、工期の短縮化が図られる――など。日本建築センターの一般評定および建材試験センターの2時間耐火性能を取得している。
 今回の「ユニスラブ」の事業展開について同社は、「地元北海道における公共事業が減少するなか、主力である土木用コンクリート製品も非常に厳しい状況にある。そのなかで首都圏をターゲットに、『ユニスラブ』で建築分野に新たに参入することで、土木分野の落ち込みをカバーするのが目的。将来的には柱事業の一つに育てていきたい。また、床分野で実績を積み上げ、今後はさらに壁分野にも手を広げていきたい」という。
 プレキャスト製品のなかでも特に床板は、高層マンションを中心に現場打ちと比べ工期短縮のメリット、職人不足への対応、近年のバリアフリー化の要求などからここ数年で急速に普及している。主なものだけで、デッキプレート合成床、穴あきPCa板合成床、鉄筋トラスハーフPCa板中空床などがある。
 床工法以外では、部材重量の軽い柱の外殻プレキャスト工法なども普及しており、将来性の点で有望な工法と期待されている。